『伝え方が9割』要約と実践法|ノーをイエスに変える言葉の作り方とは?
「どうして自分の言いたいことが伝わらないんだろう…」
「説得しても“NO”と言われてしまう…」
そんな悩みを抱える人にこそ読んでほしいのが、ベストセラーである佐々木圭一さんの『伝え方が9割』です。
この本は、「伝え方はセンスではなく、技術である」という前提のもと、相手の心を動かす“伝える技術”を7つの切り口で解説しています。
本記事では『伝え方が9割』の内容を要約しつつ、すぐに使える実践例も紹介しています。人間関係、営業、プレゼン、恋愛…どんな場面でも応用できる一冊のエッセンスをお届けします。
『伝え方が9割』は、コピーライターである佐々木圭一さんが書いた、“人の心を動かす言葉のつくり方”を体系化した書籍です。
- 著者:佐々木圭一(元・博報堂のコピーライター)
- 累計発行部数:100万部超(シリーズ累計150万部)
- 特徴:誰でも再現できる伝え方の「技術」が学べる
佐々木さんは、言葉の力で商品を売るプロ。そのノウハウを、日常でも使えるように応用して解説しているのが本書の魅力です。
ノーをイエスに変える3ステップ|相手が動きたくなる伝え方
本書の柱となるのが「ノーをイエスに変える3ステップ」。
ステップ①|自分の願いをそのまま言わない
人は命令されると反発する生き物です。「会ってくれませんか?」という直接的な言葉は、相手にとって“負担”に聞こえることにもなります。
そのためには自分の願い(頭の中)だけで考え、それをそのまま言葉にしないことが第一となります。一方的な要望をコトバにしても相手には伝わらないのでやめた方がよいでしょう。自分勝手と思われてしまう可能性もあります。
ステップ②|相手の頭の中を想像する
相手が今、何を求めているか?どんなメリットを感じるか?を先に考えることが大切です。
あなたは自分の要望を伝える前に、相手のメリットを考えたことはありますか?
例えば、この面接に受かったら企業にとってどんな良いことがあるのか?このアイディアを採用してくれたら、採用してくれた会社(相手)にどんな良いことがあるのか?を考えるようにしましょう。
相手にとって何がメリットかを想像することで、より良い提案ができます。
ステップ③|相手のメリットと一致するお願いを作る
自分の要望を伝える前に、相手のメリットを考えたことはありますか?
自分の要望、相手のメリットが一致したときに初めて要望が通りやすくなります。イタリアンが好きな女性にデートに誘う場面を例に考えてみます。
「驚くほど美味しいパスタのお店があるんだけど、今度行かない?」というように、相手の興味に合わせて伝えると“イエス”が引き出せます。
このように、相手の好きなことを考えながら、相手のメリットに合わせて提案することで、より効果的な伝え方ができます。しかも、「デート」という言葉をわざわざ使わないことで、相手に変な意識をさせないのが良いですね。
この方法はデートに限らず、日常のコミュニケーションにも活用できるので、ぜひ覚えておき、明日から使ってみてください。

すぐ使える!伝え方の実践例
選択肢を与える(イエス確率アップ)
NG:「明日、飲みに行ける?」
OK:「明日か明後日、どっちなら空いてる?」
選択肢を提示することで、断る選択肢を封じ、イエスの確率を高められます。覚えておくと使える場面が多いので、お勧めです。
そもそも人は選択肢が多いと、迷ってしまい決断ができません。でもAとBのように2つの選択肢を与えると、どちらかを選ぼうと考えますし、さらに断るという選択肢がなくなります。
具体的には、営業先にアポを取るときに「いつ空いていますか?」と聞くと、選択肢が多くて、「忙しいからスケジュールがわかったら連絡する」とやんわり断られる可能性があります。しかし、「◯月◯日と、◯月△日ではどちらがご都合よろしいでしょうか?」と聞くと、営業先の人はどちらがスケジュールに合うかを考えるようになります。
これは営業だけでなく、事務方でも、どんな人でも社内のコミュニケーションでさえ通用する方法ですので、ぜひ使ってみてください。
感謝を先に伝える(断りづらくする)
NG:「これ、やってくれますか?」
OK:「いつも助かってます!この件もお願いしてもいいですか?」
人は基本的に「ありがとう」と言われた後に断りにくいものです。最初に感謝の気持ちを伝えることで相手に断りにくい状況を作り出し、イエスをもらうことができます。

チームワーク化(命令→共感へ)
NG:「これ、やっておいて」
OK:「一緒にやろう」
指示から協力への変換で、相手の行動意欲が大きく変わります。
最近、以前にテレビで観たサッカー日本代表の森保一監督のことを思い出しました。
個人のやる気を引き出し、グループをまとめたりしようと思ったら、「一緒にやりましょう」と呼びかけることが大事だと森保監督は語っておられました。
命令するだけではなく、あくまで自分も動くことが前提です。
これも、「チームワーク化」という手法となります。
三苫薫選手、久保建英選手らメンバーのほとんどが海外で活躍する日本代表。個性豊かな彼らをまとめるには「俺についてこい」ではなく、森保監督の共同でするやり方(チームワーク化)が最善だったのでしょう。
心を動かす「強い言葉」のつくり方
印象に残る言葉は、人を動かします。では、どうすれば「強い言葉」が作れるのでしょうか?
ギャップ法|意外性で印象づける
例:「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ」(バラク・オバマ)
正反対の内容を組み合わせると、記憶に残りやすくなります。
感動を作るには伝えたい内容にギャップを作ることと著者は言います。
人を動かすのはルールではない。感動だ。本当に人が動く時、それは心が動いたとき。
いつ遭遇するか、わからない大勝負のときのためにコトバを磨くのではなく、たった今から人を喜ばせ、感動させることができるようなことを実践してコトバを磨いていきたいですね。

まとめ|伝える力は「誰でも身につけられる」スキル
伝える力は一部の人だけが持つ“才能”ではなく、再現性のある“技術”です。
✔ 自分の伝えたいことを、相手にとって心地よく伝える
✔ 「ノー」ではなく「イエス」を引き出す言葉にする
✔ 強い言葉で、相手の記憶に残す
こうした技術を一つずつ実践することで、あなたの人生・仕事・人間関係は大きく変わります。
伝え方が変われば、人生が変わる──それは、技術で可能になります。
『伝え方が9割』から学べる「伝える技術」をいくつか紹介しました。
著者としては「相手の気持ちを考える」ことさえできれば、伝わり方が変わると述べています。
自分勝手な発言と思ったら一呼吸置きましょう。相手の気持ちを考えた”コトバ”にする。よりよい話し合いや提案ができるようになります。
今回ご紹介したテクニックをさらに学びたい方は、ぜひ一読をおすすめします。
伝え方を磨き、あなたの未来に感動が連続する人生を作り出していきましょう。
