『稼ぎ方2.0』要約と解説|個で稼ぐ時代に必要な5つの力【村上臣】
「このまま会社にいて、将来は大丈夫だろうか?」 物価は上がり、給料は増えず、AIが仕事を奪う時代。そのような不安を抱く人が増えています。
一方で、YouTube・X(旧Twitter)・ブログなど、個人が発信してファンをつくり収益を得る人も急増中です。「好きなことで生きていく」という言葉が夢物語ではなくなりました。
村上臣著『稼ぎ方2.0』は、この“個の時代”に必要な働き方の新常識を明快に示した一冊。 著者は「やりたいこと」と「経済的自立」を両立させるための考え方を、5つの実践ポイントとして整理しています。
この記事ではその要点をわかりやすく解説しながら、私自身の気づきも交えて解説しました。会社や肩書に頼らず、自分の価値を社会に届けていくために、今こそ“稼ぎ方のアップデート”が必要です。
・副業を始めたいけれど、何から手をつけていいか分からない
・自分の「好き」や「得意」を仕事に変えたい
・組織に依存せず、自立した働き方をしたい
そんなあなたに、必ずヒントが見つかるでしょう。
|『稼ぎ方2.0』とは?村上臣が描く「個人が主役の時代」
かつては「良い会社に入ること」が安定の象徴でした。しかし、終身雇用は崩れ、社会構造は大きく変化。AIや自動化の進展により、2030年には日本の仕事の約3割が代替されるといわれています。
村上臣氏は、ヤフーやLinkedInなどでキャリアを重ねた実業家です。そのような著者が本書で伝えるのは「組織に依存しない個人の時代」へのシフトです。“安定とは、他者ではなく自分の中に作るもの”という考え方が、本書の核心にありました。

|AI時代における「稼ぎ方2.0」──雇われるだけの働き方はもう限界
「稼ぎ方1.0」は、会社という枠の中での労働の対価。「稼ぎ方2.0」は、自ら価値を生み出し、社会とつながりながら稼ぐ新しい生き方です。
著者は次のように注意を促します。
「AIに奪われる仕事とは、“指示されたことを正確にこなす仕事”だ。」
つまり、これからの時代に求められるのは自分で考え、創り出す力。そのためには、“好きなこと×得意なこと×社会の課題”の交点を見つけることが不可欠です。
|一億総クリエイター時代の幕開け
|誰もが「発信者」になれる時代が来た
SNS・動画・音声・ブログ──今や誰もが、自分の思いや専門知識を世界に発信できる時代です。
かつては企業やメディアだけが担っていた「発信する権利」を、いまや個人が自由に持てるようになりました。
こうした動きを指すのが、「クリエイターエコノミー(Creator Economy)」と呼ばれる新しい経済の形です。
クリエイターエコノミーとは?
クリエイターエコノミーとは、「消費者も販売者になれる経済圏」のこと。
個人がスキル・知識・情熱を活かしてコンテンツを発信し、その価値を収益化していく仕組みです。
例えば、YouTubeで自分の知識を発信する人、Instagramでライフスタイルを共有する人、noteで専門ノウハウを販売する人。
かつては「趣味」と呼ばれた活動が、今では立派なビジネスになっています。
2021年時点でその市場規模は世界で約13兆円、参入者は5000万人以上に達しました。
これからは、会社員を続けながらでもクリエイター活動に挑戦できる環境が整っていくでしょう。

|“発信”が“価値”に変わる仕組み
これまでの「稼ぎ方1.0」は、企業の枠の中で労働力を提供する働き方でした。
一方、「稼ぎ方2.0」では、「自分の経験や視点そのものが価値になる」という意識に変わっています。
SNSのフォロワー数や動画再生回数だけでなく、「誰に、どんな影響を与えたか」という新しい評価軸になりつつあります。
つまり、数ではなく「信頼の深さ」で生計が立つ時代です。
これは単なるブームではなく、経済の構造変化です。
広告中心の旧来型ビジネスから、「個人が直接、価値を届ける」直販型モデルへとシフトしています。
この流れを読み解くことが、まさに『稼ぎ方2.0』の核心です。
|日本人がクリエイターエコノミーに向いている理由
日本人はもともと「共感」や「信頼関係」を大切にする文化を持っています。
これは、フォロワーとの関係を丁寧に築くことが重視されるクリエイターエコノミーと非常に相性が良いのです。
加えて、YouTubeやX(旧Twitter)などのツールの普及により、
初期費用をかけずに発信を始めるハードルが劇的に下がりました。
たとえ小さなテーマでも、「誰か一人の悩みを解決できる発信」には価値があります。
あなたの体験・思考・努力のプロセスが、そのまま“他者の希望”になる。
まさに、“個の時代の働き方革命”が始まっているのです。

|著者・村上臣が伝えたかったこと
村上氏がこの本のなかで訴えているのは、「あなたの人生を発信しよう」というシンプルなメッセージです。
企業や社会の価値観に合わせて生きるのではなく、
「自分の視点」から価値を創り出す。この流れが、次世代の働き方だと説いています。
発信とは、自己表現ではなく社会貢献の一形態として捉える。
あなたの知識や経験が、誰かの課題を解決し、感謝される。
その連鎖が「お金」という形で還ってくる。
それが、クリエイターエコノミーの本質であり、“稼ぎ方2.0”の理想です。
私の気づき
私自身、ブログやSNSでの発信を続けて感じるのは、「発信は、完璧な知識よりも“誠実な姿勢”が信頼を生む」ということ。
情報の正確さはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは、
「誰かの役に立ちたい」という熱意になります。
発信の継続が信頼を生み、信頼が結果として収益につながる。
この循環を体感すると、もはや「働く=会社に勤める」ではなく、
「働く=価値を届ける」へと意識が変わります。
それこそが、『稼ぎ方2.0』が指し示す未来の働き方なのかもしれません。

|個で稼ぐための5つの力
|① やりたいことを徹底してやる
周囲の期待より、自分の“情熱の源泉”に向き合う。 好きなことは続けられる最大の武器です。
→私はこれを「手帳のミッション欄に書く」と決めています。迷ったときに原点へ戻るためにでもあります。
|② 会社外の人とゆるくつながる
オンラインサロンやSNS、地域コミュニティなど、緩やかなネットワークが予想外のチャンスを生みます。
→実際、ブログを通じて読者と対話することで、新しい着眼点が生まれました。
|③ ニッチな問題解決に注力する
「みんなの悩み」ではなく「特定の誰かの悩み」を解決する。
→たとえば、「手帳で人生を整える方法」「お金と心を整える習慣」など、テーマを絞るほど共感が深まります。
ニッチな市場とは
「ニッチな市場」とは、大手企業が手をだしていない“小さな悩み”や“特定の人の困りごと”に特化した分野のことです。
たとえば──
- 「在宅ワークで集中できない人のための“1人用ワークカフェ”」
- 「発達障害の子を持つ親のための“時間管理オンライン講座”」
- 「50代からブログを始めたい人の“発信サポートサービス”」
どれも大きな市場ではありませんが、特定の悩みを深く理解し、丁寧に解決することで強い共感を生むことができます。

|④ 制作過程を公開する(プロセスエコノミー)
完成品よりも、「どう作っているか」を見せる時代です。
→発信者としては、「試行錯誤こそ信頼を生む」と感じます。未完成の過程を共有する勇気が、フォロワーとの距離を縮めます。
|⑤ 自分の商品(=価値)を持つ
「情報発信」「オンライン講座」「PDF教材」など、小さな形でも自分の提供価値を明確にする。
→私自身も書評記事を通じて、“知の編集”を一つの商品として発信しています。
|『稼ぎ方2.0』が示す新しい働き方の哲学
本書のメッセージは「誰もがクリエイターになれる時代をどう生きるか」。そのためには、「企業に選ばれる人材」ではなく、「社会に必要とされる個」へ進化する必要があります。
特に印象的なのはこの一節です。
「キャリアは設計するものではなく、編集していくもの。」
つまり、正解を探すのではなく、自分の選択を“意味づけていく姿勢が大切となってきます。稼ぐとは、単にお金を得る行為ではなく、「自分の価値を社会に流通させること」なのです。

まとめ|自分を信じて、価値を生み出す働き方へ
『稼ぎ方2.0』が教えてくれるのは、
「働く=生きる=価値を生む」という原点。
好きなことを磨き、誰かの役に立てば、
お金は“結果”として自然に流れてくる。
これからの時代に必要なのは、
会社に属する安心ではなく、「自分を信じて動く力」です。
勇気を出して一歩踏み出した人だけが、
自由と幸福を手に入れられる。
“自分だけの市場”を育てましょう。
あなたの情熱が、未来の仕事になる。
『稼ぎ方2.0』は、働き方に不安を感じるすべての人へ。
あなたの可能性を、未来の仕事に可能性を解き放ちましょう。
