『ザ・コーチ』要約 | 目標・目的・ゴールの違いと”続く目標”の設計図
こんにちは、ひろしです。
「目標を立てても続かない」
「何から始めればいいのか分からない」
そのような悩みを抱えていませんか?
谷口貴彦さんの著書『ザ・コーチ- 最高の自分に気づく本』は、目標設定につまずく人に向けてコーチングを使い、やさしく解説してくれる1冊です。
【 本書の内容 】
営業成績に悩むサラリーマン・星野(36歳)さんが、老紳士との対話を通じて「目標の真の意味」と向き合い〝生涯最高の自分”に気づいていくストーリー展開となっています。
この本を読むことで、目標の立て方、目的との関係性、ゴールの設定──誰もが一度は聞いたことがある言葉を明確に整理することで、自分にとって本当に意味のある行動が見えてきます。
結論 | “目標・目的・ゴール・夢・ビジョン──5つの言葉を定義する
まずは、目的・ゴール・目標などの言葉の定義を確認していきます。
「5つの言葉」の明確化する
本書の核心は、あいまいになりがちな目標やゴールなど「5つの言葉」の明確化にあります。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 目的 | 成し遂げたい理想・志(行動の根拠) |
| 目標 | 目的を実現するための通過点・目印 |
| ゴール | 最終的な達成地点(競技の決勝点のようなもの) |
| 夢 | 将来実現したいと願う純粋な想い |
| ビジョン | 将来あるべき姿を鮮明に描いた未来の光景 |
多くの人が、「目標を達成すれば満足できる」と考えますが、その前に”なぜそれを達成したいのか”という“目的”を明確にすることが欠かせません。
たとえば、会社から課された売上1億円という目標に、本当の意味でやる気が起きないのは、「何のために達成するのか」が明らかでないからです。

ストーリーで理解する | ”目標迷子が抜け出すまで
本書の主人公である星野さんも、まさに「目標迷子」でした。
実直に働き、会社から与えられた売上目標を追う毎日。
しかし、達成しても心が満たされない。そんな彼が、老紳士・大倉さんとの対話を通じて、目的・ゴール・目標の意味を再認識していきます。
マラソン選手を例にして考えると
本書の中では、マラソン選手の例を使って、それぞれの言葉を分かりやすく説明しています。
- A. 次のオリンピックで金メダルを取る → ゴール
- B. 10キロのタイムを3分短縮する → 目標
- C. 子どもたちに夢を与えたい → 目的
- D. 今月500キロを走る → 目標
- E. 選考レースで優勝する → ゴール
- F. 脚力を10%強化する → 目標
- G. 誰よりも速く走って風になる → 目的
目標だけでは虚しく、目的だけでは実現しない。ゴールだけを追えば苦しくなる。これらを“セットで考える”ことが重要になります。
夢とビジョンが行動を後押しする
夢とビジョンは、行動の原動力です。
夢とは「こうなったらいいな」という希望。
ビジョンとは「その未来をリアルに描いたもの」。
夢は100個書いてもよく、小さくてもいい。
大事なのは“心からそう願っているかどうか”。
そして、その中から「これはどうしても叶えたい」と思えるものに出会えたら、ゴールに昇華し、目標に落とし込んでいく。
ここに人生を変える力があります。
ゴールを達成する道のりが重要
ゴールを達成したかどうかより、ゴールを達成する道のりで得られるベネフィットのほうが重要です。
ゴールを達成する道のりで得られるベネフィットには次のようなものがあります。
・共感する仲間が集まる、”絆”が生まれる
・人生が”ワクワク”したものになる
・精神力、集中力、決断力などが増す
・人生でみる景色が変わる
たとえ失敗したとしても、挑戦したことによる自信や次に成功するためのヒントや知恵が手に入ります。
特に重要だと感じたのは、未知の世界の不安に打ち勝つ力が身につくことです。
今の自分のままでは成し得ないゴールを目指す道のりは、その人にとって未知の領域です。人は未知の世界に恐れを感じますが、自分の中の恐れに打ち勝つ力は、ゴールに向かった自分の経験からしか、得ることはできないのです
先行きがわからない未知の世界で自分らしく生きるためには、ゴールに向かって行動した経験から来る自信が支えになってくれます。

行動にブレーキがかかるのは、なぜなのか?
反対に、失敗を恐れるあまり、自分自身で「どうせ無理」と思ってしまう。変化を避けたいという心理的抵抗が起きる場合もあって、ゴール達成に向かうなかで行動にブレーキをかけるものもあります。
例えば、
・他人との比較や非難を恐れる負の感情…
・学習に対する無力感
「そんな目的やゴールは意味がない」というゴール自体への批判や、「あなたにできるわけがない」という能力や人格への否定があると行動へと向かっていくのにやる気も起きません。
行動できない理由の多く正体は、心のブレーキです。
- 他者との比較
- 批判された経験
- 失敗の記憶
- 自信の欠如
これらを外すには、「目標を小さく分けること」が有効であり、「自分はできない」と思ってしまうようなことも、スモールステップにしていくことで、自然と動けるようになります。
また、目標はToDoリストではなく、「理想のあるべき状態」で書くこと。
× 「週3回ランニングする」
○ 「毎週3回、30分間心地よく走っている自分がいる」
こうすることで、目標が”やること”から”ありたい姿”へと変化し、感情が伴うようになります。心のブレーキが外れていくでしょう。
ブレーキを外すと前に進める
夢を思い描いたとき、不安や迷いが出てくるのは自然なこと。「自信がない」「批判が怖い」「失敗したくない」――それらの心のブレーキを一旦外しましょう。
最初は小さな目標から始めてOK。一歩を踏み出せば、次の一歩が見えてきます。

まとめ:夢は、想像で終わらせず、設計して進んでいくもの
『ザ・コーチ- 最高の自分に気づく本』は、私に自分がどんな人生を送りたくて、何を叶えたいのかを行動に移していくための「設計図」を描いてくれる一冊でした。
「なんとなく毎日を過ごしている」
「頑張っているのに満たされない」
そんな人にこそ、本書を手に取ってほしいと思います。
夢・目的・ゴール・目標・ビジョン──この5つが揃ったとき、あなたの人生は大きく動き出すでしょう。
