『君のお金は誰のため』 【要約・書評】

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お金に関する本質的な話が詰まった一冊、『君のお金は誰のため』という本作を読みました。

この本を読み振り返ってみるとここ10年近く、私は生活のために働いてきた気がします。

お金に振り回されていたのか、はたして奴隷だったのか。

「何のために働いているの?」と、あなたも思ったことはないでしょうか?

本書は読者が選ぶビジネス賞グランプリ2024の総合グランプリにて見事第一位を受賞した本作です。

小説仕立てになっており、読者視点としては話が面白くサクサクと読み進められます。

しかし、この「お金の正体」を知っておくことで、あなたの考え方や行動は大きく違ったものになってくるはずです。

人を中心にお金を考え、お金の本質について学ぶことができる一冊です。

■本書をおすすめしたい人

・お金の本質を知りたい人

・お金に振りまわせられたくない人

・お金に関する知識を身につけたい人

気になった話を2つほどピックアップし、私なりにまとめて伝えます。

働くとは誰かの役に立つということ

この世界の商品はすべて働く多くの人達の労働によって形つくられています。

そしてその商品にお金を払うということは、

私達がその商品に対して役にたつと感じているからです。

つまり私達が働いていることは、名前の知らない誰かの役に立っているということにつながります。

私達が一日を過ごすとき、本当に多くの人の労働のおかげで豊かに生きることができますし

逆に自分が働くということは、多くの方々(見ず知らずの方々含めて)の役にたっているということです。

このように、自分ではできないことを誰かに解決してもらって

その代わりに自分が誰かのできないことを解決し合っています。

この循環によって私たちひとりひとりの生活が豊かになる。

これを「経済」とよんでいます。

僕たち大人の多くはどこかの会社に所属し、そこで労働力を提供する代わりに報酬として給料をもらっています。

僕たちは働いてからお金をもらうのではなく、人の悩みを解決したから自分のところにお金が返ってきている。

人の悩みを解決したものがお金を受け取れる。

つまりお金を稼いでる人はより多くの人の悩みを解決するために行動したということになります。

これは、まずお金を稼ぐ上で知っておくべきことです。

多くの人の格差をなくし便利にする人が結果的にお金持ちになっているということです。

なので自分がお金持ちになりたいのであれば多くの人を豊かにする方法や

格差をなくす方法を考えることが重要ですね。

内側と外側でお金を考えること

お金は社会全体で見ると、個人で見るのとは違う景色があるということがわかります。

『大前提として、日本という国では発行されているお金の量は約120兆円であり、それ以上お金は増えないようになっています。』 本書より

私達がお金を使うときはその120兆円という決まった金額のなかで「政府・企業・個人」という3つの財布の間で、ただ移動したということです。

日本の会社が日本に所属している人に商品やサービスを売ったところで、そのお金は国内の誰かから誰かに移動しているだけになります。

つまり、日本円の総量自体は増えておらず、お金が人から人へ移動してるだけになるのです。

お金の総量は変わらないので、人気のある人にお金が集まっているのです。

国が借金をして道路を作る場合は、国の内側にいる人が働いています。

本書(p180)

日本政府がとても大きな借金を抱え入れていることは、多くの人が知っていることかと思います。

その額およそ1200兆円と言われており、「ピン?」とこない金額ではありますが、一人当たりに直すと1000万円程度の借金があると言うことになります。

ここでよく叫ばれる事は昔の借金を現役世代がなぜ返さなくてはならないかということ。

国が借金をして道路や港や橋をつくる場合、そのお金は国の内側にいる人や企業の口座に入ることになります。

国の借金のマイナス分は、個人や企業の預金のプラスとなっており、全体で見れば帳消しになっているのです。

本書で挙げられている例は非常にわかりやすく、家庭の借金と国の借金で比較し説明されています。

家庭の借金の場合は、家庭の外側の人にお金を払って働いてもらう。

国の借金の場合は国内にいる人が働いていると言うこと。

つまり国の借金を受けて、働いているのは自分たちだけであると言うこと。

日本の借金の構造が理解できますね!

国は1200兆円もの借金を抱えていますが、実はその借金は日本国内の会社や個人のもとに流れ込んでいるという話です。

つまり日本が借金をしたところで、国内の会社に仕事を依頼しているのであれば、その借金は国内の中で巡回されていくということです。

本書を読んでの感想

私はこの本を読んで、「されて嬉しいこと」実践したいです。

相手がされて嬉しいことをする。

例えば、「プレゼント」です。

何気なく「相手がこの商品を欲しいなぁ」と言ったことを覚えておいて、誕生日とかにプレゼントをする。すごくベタな例ですが、それだけ相手を大事だと考えているから、他にも相手がそれをしたら喜ぶかなと想像して行動する。

そういうことの積み重ねで関係が豊かになっていくと私は思います。

自分が何気ない会話の中で

「これが欲しい」

「これが好き」と言っていたことを相手が覚えてくれていて、ふとしたときにプレゼントしてくれる。これってサプライズですよね。

またプレゼントだけではなく、行ったことを覚えてくれている。しかもそれをふとしたときに伝えてくれる。

経済もまわり、心も喜ぶ良い循環ですね!

『君のお金は誰のため』は、小手先のテクニック本ではなく「お金の本質」をきちんと解説してくれる本でした!

数字の話などはほとんど出てこないので、数字に苦手意識を持つ方もしっかり理解できる内容になっています。

また、小説立てもなども読みやすさを助長されているポイントです。経済に関する話は小難しい話も多く、敬遠しがちな人が多いのもわかる話。

僕たちは何のために働くのか。

それを考え続ける必要があるのでしょう。

ずっーと疑問を抱えてきた「お金」の正体が見えてきました。

お金とは何なのかと思ってる人、誰かのために働きたいと考えている人はぜひ読んでいただけると勉強になります。

非常に深く多くの人に読んでいただきたい一冊でした。

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