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接客1年生 お客様に信頼される50のコツ 【 本の要約 】

ひろし

接客一年生がまず身につけるべき、3つの基本とは?

家電量販店で働き出してから、およそ5年接客を仕事にしています。

それ以前にも、学生時代のアルバイトなどを含めれば、飲食店などでも働いた経験があります。

いろんなお客様にも会いましたし、さまざまな応対のパターンも見てきました。

もう新人の頃もとっくに越えたというのに……あるとき、自分の接客が「通用しない」感覚に陥るようになりました。なんだか急に、自信がなくなってきたのです。

原点に立ち返ろうと考えたときに書店に行った際、平積みされていたのがこちらの本でした。

これだけできれば大丈夫! すぐ使える! 接客1年生 お客さまに信頼される50のコツ [ 七條 千恵美 ]

元日本航空の客室乗務員で接客マナーの講師を務める、七條千恵美さんによる本です。

七條さんが一番大切にしているのは「基本」です。

基本をもとに、接客の本質を理解し、お客様の「イラッ」「モヤッ」をなくすこと。

これを基準としていました。

基本ができて、接客の本質が分かれば、応用ができるというのが、この本の特徴のひとつです。

また、接客業を新たに始めた人だけでなく、なんとなく接客がうまくいかなくなってきたなと思う人にも……ぜひ読んでほしいおすすめの一冊です。

こちらの記事では、本書のなかで紹介されている意識すべき「3つの基本」を抜粋してご紹介します。

身だしなみと笑顔は無言のコミュニケーション

まずは、「身だしなみ」です。接客の現場では、第一印象がとても大きな影響を与えます。髪型、服装、靴など、すべてがお客様の視線に入ります。

とくに気をつけたいのは「清潔感」。これは年齢や容姿に関係なく、誰でも磨くことができる要素です。 休憩明けや開店前など、鏡でのセルフチェックを習慣化しましょう。「自分はお店の顔である」という意識を持って立つことが、プロの接客への第一歩です。

「笑顔」は、言葉以上に相手に気持ちを伝える大切な接客スキルです。 お客様は、スタッフの表情を通して「歓迎されているか」「自分が大切にされているか」を直感的に感じ取ります。

どんなに丁寧な言葉を使っていても、表情が硬かったり、無表情で目も合わせないような接客では、お客様は不安や違和感を抱きます。反対に、柔らかな笑顔には「感謝しています」「お越しいただいて嬉しいです」という温かいメッセージが込められています。

もし、これまでに「ちょっと冷たい印象を受けた」と言われたことがある方は、それは貴重なフィードバックです。意識して表情を和らげることで、接客の印象は大きく変わります。

「はい!」の返事は信頼の第一歩

お客様から声をかけられたときに、まず大切なのが「はい!」という明るい返事です。 この一言があるかないかで、お客様が受け取る印象は大きく変わります。

「はい!」は、相手の言葉をしっかりと受け止めているサイン。会話のキャッチボールにたとえるなら、ボールを両手でしっかりと受け止めるようなイメージです。逆に、あいまいな返事や「はいはい」と気のない相槌(あいづち)は、相手に「雑に扱われた」と感じさせてしまいます。

接客初心者のうちはとくに、返事ひとつで誠実さや信頼感が伝わることを意識してみましょう。たとえ言葉に自信がなくても、「はい!」と元気に返事をするだけで、接客の印象はぐっと良くなります。

あいまいな表現は使わない

接客の現場でありがちなのが、「たぶん〇〇です」「おそらく~かと思います」といったあいまいな言葉。 一見して丁寧に聞こえるかもしれませんが、実はとても不安を与えている言い回しです。

お客様は、商品やサービスを選ぶ際に「安心」や「納得感」を求めて来店されています。そのようなときに、スタッフの答えがあいまいだと「この人に聞いて大丈夫だろうか…」と不信感を抱かれてしまいます。

とはいえ、何でも即答する必要はありません。わからないことがあれば、「確認してまいります。少しお時間をいただけますか?」と正直に伝えましょう。その上で、正確な情報を調べてしっかりとお伝えする。これだけでも、お客様には「この人は誠実だ」と感じていただけます。

むしろ、下手にごまかすよりも「確認します」というひと言のほうが信頼されることを、ぜひ覚えておいてください。

まとめ

“誠実さ”は最高の接客スキル

接客の仕事は、特別な才能は必要ありません。「誠実な気持ちを、行動で伝えること」が大切です。

明るい返事、確かな言葉、心のこもった笑顔、整えられた身だしなみ── それらすべてが「あなたのことを大切に思っています」という無言のメッセージになり、お客様の安心や信頼につながっていきます。

基本を一つずつ丁寧に積み重ねることが、「また会いたい」と思ってもらえる接客スタッフへと成長させてくれます。

七條さんがイチバン大切だとしているのは「基本」です。

基本をもとに、接客の本質を理解し、お客様の「イラッ」「モヤッ」をなくす。

これを基準としています。

50のコツはどれもがわかりやすく、すぐに実践できることが書かれています。

この基本ができ、本質が分かれば、応用だってできるというのが、この本の中身のひとつです。

接客は「心」と「形」の両方ともが大切である

七條さんは客室乗務員での仕事を通して、接客は「うわべだけでのスキル」では通用しないこと。また、「気持ち」だけでも十分ではないことを感じていました。

両方とも大切なことなのです。

接客の本質は“上手な話し方”ではありません。大切なのは、基本的な姿勢と行動を一つひとつ丁寧に積み重ねること。「あなたのことを大切に想っています」「感謝しています」「歓迎しています」「敬意をもっています」ということを感じてもらうことだと、七條さんは言います。

それはお客様に媚びるわけでもありません。本当に小さなところから気をつけるところから始まるのです。

たとえば、上記の例でいう身だしなみ、笑顔、返事の仕方……。

「接客1年生」を読んでいると、「なぜこうする必要があるのか」という動作の意味をも考えることができます。

すると、自分の接客の「形」に、今まで以上に「心」をこめることができるようになりました。

「できている=相手がそれを認識してくれる」という状態になるまで、徹底的にやる。無意識でもできるレベル、当たり前になるまで継続する。

私も5年間の接客経験がありますが、この「接客1年生」を読んでいると、「自分ではやっているつもりだったけど、実際にはできていなかったかもしれない」と思うことが、たくさん出てきて再確認の作業にもなりました。

自分の接客を振り返り、もう一度見直したくなったとき……すぐに開いて再確認できる、この「接客1年生」は心強い味方となってくれます。

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