『会う力 シンプルにして最強のアポの教科書』 【 本の要約 】
こんにちは、ひろしです。
今回ご紹介するのは、人生を変えるためのもっともシンプルで効果的な方法──
「会いたい人に、会いに行く」行動にフォーカスした一冊、【 会う力 シンプルにして最強の『アポ』の教科書 】(新潮社)です。
著者は、これまでに2000人以上の著名人と対話してきた“プロインタビュアー”である早川洋平さん。
ご自身の経験をもとに、「どうやって会いたい人に会うか」「会った後、どう関係を育てるか」を体系的にまとめたのが本書です。
本書では、著者自身も元々は人見知りだったことも明かしており、「ゼロからでもできる」ステップが豊富に書かれています。
単なるアポイントのテクニック本ではありません。
「人と会う力=対話を通じて人生をアップデートする力」として、“会う”という行為の本質にせまっている内容でした。
どんな人におすすめか?
- 人つきあいに苦手意識がある人
- 転職・起業・フリーランスとして動き出す人
- 新しい人間関係を築きたい新社会人・移住者・リスタートを切る人
そして「自分を変えたい」と願うすべての人に読んでほしい一冊です。

会う力とは「対話で人生をアップデートする力」
なぜ「会う力」が必要なのか
デジタルで何でも完結する時代となりました。しかし、著者はあえて「直接会うこと」に価値を置きます。――それはなぜか?
対話には、自分の価値観を揺さぶり、新しい視点や行動を引き出す力があるからです。 時代がどれだけ変化しても、自分らしく生きるためには「誰と出会い、何を話すか」が人生に大きく影響するからです。
本書は3つのフェーズで構成されている
本書の構成は非常に実践的で、「会う前」「会った当日」「会った後」の3部構成になっています。それぞれのフェーズで、丁寧かつ具体的なアクションプランが提示されています。人と会うためのナビゲーターのようにあなたを導いてくれます。
第1部:会う前(準備編)
リサーチから会うは始まる
事前に相手の情報を調べ、興味関心を把握することが対話の質を決めます。
アポを成功させる3要素
- 熱意(なぜ会いたいのか)
- リサーチ(相手のことをどれだけ理解しているか)
- 理由の明確さ(会うことでお互いに何が生まれるか)
これらを言語化し、メールやSNSのDMなどで丁寧に伝える。たったそれだけで、会える確率は大きく変わるのです。また、書籍の中でもSNSのダイレクトメッセージ、共通の知人、イベントなど、「アポのチャンス」はどこにでもあるという考え方を提示しています。
アポは「会う前」から勝負が始まっている
早川さんはこう断言します。
アポの結果は、連絡をとる前にほぼ決まっている。
どういうことかというと── アポをお願いする前に、次の3つをどれだけ整えられているかがカギになります。
- 良識ある熱意
- 直接役立つことを申し出る
- 公共性に共感してもらう
これらを言語化し、メールやSNSのDMなどで丁寧に伝える。たったそれだけで、会える確率は大きく変わるのです。
会う前の段取りが8割
日時の調整、場所選び、自己紹介の用意、質問メモなど、「不安の解消」=「準備」であることを教えてくれます。

第2部:会ったとき(実践編)
良い質問が、良い対話を生む
相手の深い話を引き出す“質問力”が紹介されており、どんな話をどう聞くかが重要だとわかります。
会う時間を“特別な体験”に変える
相手の話を心から聴く「傾聴」、適切な自己開示、共感力。関係を一段深めるための対話術が学べます。
47の質問リストがすごい
本書には、インタビューのプロである著者が実際に使っている深く話を引き出す「47の質問リスト」が収録されています。
たとえばこんな質問──
- あなたの人生にタイトルをつけるなら?
- この人に出会わなければ今の自分はない、と思える人は?
- 最も死を近くに感じた出来事は?
- 最後に泣いたのはいつ?なぜ?
- 今まで一番学びになった「教え」は何?
これらはインタビューやビジネスシーンだけでなく友人との会話や初対面の人との雑談にも応用できる“会話を深めるツール”にもなります。
第3部:会った後(継続編)
出会いを“点”で終わらせない
感謝のメールや情報のシェア、次の機会の提案など、関係性を“線”に育てていくヒントが満載。
会うことで起こる変化
新たな視点や人脈、ビジネスのチャンス、人生の転機など、リアルな出会いがもたらす可能性が語られています。
会ったその後も大切にする
会えたらゴールではありません。むしろ本番はそこから始まります。
- 会話中にしっかり聞く姿勢を持つこと
- 相手に「会って良かった」と思ってもらう空気感をつくること
- 会った後は、当日中に感謝のメッセージを送ること
- 出会いを「一回きり」にせず、関係を育てるアクションを起こすこと
早川さんの言葉を借りれば、「会ったら終わりではなく、“縁”をつなぐための第一歩」なのです。

なぜ「会うこと」なのか? ─ デジタルでは得られない3つの要素を得ることができる
- 非言語コミュニケーションの情報量 表情、声のトーン、間の取り方などは、文字だけでは伝わらない大切な“空気”です。
- 偶発性というチャンス リアルでの出会いは、予測不能な化学反応を生み出します。新しい仕事やつながりもそこから生まれることがあります。
- 信頼は「会ってから」始まる テキストだけでは築けない「共に過ごした体感時間」こそが、信頼のベースになるのです。
人生は「誰に会うか」で決まる
「人生は、出会った人の平均値である」 ──この言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
私たちは、思っている以上に“誰と出会い、何を話すか”に影響を受けています。本書が提案する「会う力」は、そんな人生の方向性を自分で選びとるための、最もシンプルで本質的な方法なのです。
そして著者は、この力を“人生の救命ボート”とまで表現しています。 どんなに時代が変化しても、最終的に自分を救ってくれるのは“人との直接的なつながり”なのだという、深い実感が込められています。
まとめ
一歩を踏み出す勇気が、人生を変える
本書の副題にはこうあります。 「シンプルにして最強のアポの教科書」
複雑な戦略でも、難しい心理学でもありません。 ただ、会いたい人に会いに行く。その一歩を踏み出すこと。 それだけで人生は変わりはじめる──本書はその事実を、何よりも実践的に教えてくれます。

あとがきの部分もすごかった
早川さんはこの本のあとがきで、かつて飛行機恐怖症だったことを告白しています。 でも「このままでは終われない」と決意して空を飛び、自らの″殻″をやぶった──
この経験を、「人と会う」という行為にかさねて語っています。
「恐れを抱えたままでも会いに行くことで得られるものは、きっとその不安を超える価値を持っているはずです」
この言葉、まさにその通りだと思いました。
会う前は不安でも、緊張していても、実際に会ってみるとそこには新しい景色があり、自分の可能性が広がる感覚がある。
この本は、そんな“会うという行動”を優しく、でも力強く後押ししてくれる一冊です。
「この人に会ってみたい」と思ったら、ぜひこの本を手に取ってください。人生を変える「会いに行く」という行動の力は威力を発揮します。人生が動くきっかけは、いつも“誰かとの出会い”から始まっているのです。

🎧 この内容は早川さんのYouTubeチャンネル、Podcastでも配信中です(Apple Podcastなど各種プラットフォームにて)