『人生の経営戦略』山口周【 本の要約 】
こんにちは、ひろしです。
気がついたら、人生の折り返し地点を過ぎていた。
仕事も、家族も、日々の生活も、ある程度“安定”している。
それなのに、心のどこかにぽっかりと空いた隙間がある。
「このままでいいのだろうか?」
という問いが、ふとした瞬間に湧き上がってくる。
そのモヤモヤ、あなたの努力不足じゃありません。 じつは、戦略のない人生設計が原因かもしれないのです。
40代、50代という年齢は、人生の棚卸しをするタイミングでもあり、
「これからどう生きたいか?」を見つめ直す大切な時期です。
そして、そこからの人生をもう一度“自分で選び直す”こと。
それこそが、「自分再起動」の本質です。
そのような時に手に取ってほしいのが、山口周さんの著書 『人生の経営戦略』です。
・山口周さん『人生の経営戦略』参考動画
40代50代必見!「このままでいいのかな?」と思っているあなたへ
こちらの本は、人生設計を見直すための朗報です。
人生にも「経営戦略」が必要な時代
山口さんは、長年企業の経営戦略に携わってきたコンサルタント。 本書ではその視点を、私たち一人ひとりの人生に応用する方法を示しています。
◆人生論とキャリア論のバランスを取る
本書では、現代のキャリアに関する二つの価値観「マキャベリ的人生論」と「理想的人生論」を紹介しています。
- マキャベリ的人生論は、冷徹に競争し、経済的自由を手に入れることを目指す考え方です。このアプローチは、自己成長や成果を最優先にし、キャリアアップを図りますが、過剰に成果を追い求めるあまり、人とのつながりやリラックス時間を犠牲にしてしまうリスクがあります。
- 理想的人生論は、自分らしさを大切にし、経済的・社会的な不安定さを避けつつ豊かな人生を追求する考え方です。しかし、プロセス設計に不備があり、結局何に力を入れるべきかが不明確になり、充実感が得られないことがあります。
本書では、この二つの価値観をバランスよく取り入れることが最も重要だと述べています。成果を上げながらも、自分や他人とのつながりを大切にし、バランスの取れた人生設計が求められます。
🔹「今を我慢」ではなく「今を満たす」
昔は「未来の成功のために今を耐える」考え方が主流でした。 でも今は、5年後にあなたの仕事がなくなっている可能性すらある時代。
だからこそ、**「今この瞬間を充実させる」**という視点が必要です。 山口さんは、未来だけでなく「今を幸せにする戦略」があると教えてくれます。
🔹 フレームワークで人生を見える化する
ビジネスで使われる戦略フレームワークを、人生に応用する提案も本書の魅力。
- ブルーオーシャン戦略:他人と競わず、自分だけの道を選ぶ
- バランススコアカード:人生の進捗を可視化する
- リソースベースドビュー:自分の強みを見極める
- イニシアチブポートフォリオ:時間とエネルギーの使い方を見直す
- ライフサイクルカーブ:変化の兆しを早く察知する
これらを活用すれば、漠然とした「理想の人生」も、戦略的な行動計画へと変わります。

人生を動かす「3つの資本」とは?
人生がうまくいかない理由は、努力不足ではなく「資本の使い方」にあるかもしれません。 山口さんは、人生を経営と同じく“資本の循環”としてとらえています。
この流れを意識することで、「今、自分の時間をどこに使うべきか」が明確になります。
🔹 幸せをつくる3つの要素
本書では、「幸せ」を以下の3つに分解して定義しています。
- 自己効力感(=人的資本)スキルや知識に変わる“力” 自分の能力や経験、健康などを高め、自己効力感を持つこと。
- 社会的つながり(=社会資本)信頼や人間関係といった“つながり” 家族や友人、同僚との信頼関係を築き、良好な人間関係を維持するこ
- 経済的安定(=金融資本)お金や収入というリターン 安定した収入を確保し、生活に不安がない状態を作ること。
この3つをバランスよく育てることが、満足度の高い人生につながっていくのです。
キャリアは“山登り”と同じ
あなたのキャリアは、どんな山を目指していますか? 本書では、キャリア設計を「山登り」にたとえています。
🔹 山を決めて、道具(スキル)をそろえる
まずは目指す山(目標やポジション)を決める。 そして、その山に登るために必要なスキルや経験を積み上げていく。 この考え方は、現実的でとても再現性があります。
🔹 「行動が意識を変える」サイクルを回せ
「まず意識を変えよう」と頑張るより、先に行動する方が早い。
行動が結果を生み、結果が意識を変え、 その意識がまた次の行動を生む── このサイクルが、人生を少しずつ動かしていくのです。
🔹 情報収集は“戦略的”に
目指す業界や職種があるなら、 実際にそのポジションにいる人がどんな道を歩んできたかを調べてみましょう。 転職エージェントに相談したり、 「年収×年齢」でシミュレーションするのもおすすめ。
情報は、行動の“地図”になります。

自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ
以上の考察を踏まえて、ライフマネジメント・ストラテジーにおける洞察を引き出すならば、これはそのままリクルート創業者・江副浩正氏の有名な言葉に行き着くと思います。
「自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ」
このような状況
このような状況を打破するためには、受動的に“良い経験”を得られる機会を座して待つのではなく、能動的に自ら良質な経験を得られる機会を作り出していく姿勢が必要です。
このようなアドバイスをすると、よく「自分には権限がないから動けない」と言う人がいます。 しかし、それはまったく逆の考え方で、むしろ“動き出さないから”権限が与えられないと考えるべきなのです。
組織における「パワー」を、まるで教科書のように静的なものとして捉えている人がいますが、パワーとは一種の現象です。 そしてその現象は、自ら動く人の周囲にこそ発生するのです。
自ら成長の機会を作り出すことは、単にスキルや実績を積むだけでなく、リーダーシップや創造力といった重要な能力も養います。 限られたチャンスの中でも、自分で価値ある経験を生み出す力は、どのような環境でも活かせる「生きる力」となり、結果的には組織にとっても価値ある人材となるでしょう。
まとめ
◆あなたは人生という会社のCEO
『人生の経営戦略』は、ただの自己啓発本ではありません。 あなた自身が自分の人生をどう設計するかを、本気で考えさせてくれる“戦略書”です。
こんな方に、特におすすめです:
- 40代で将来が不安
- キャリアに迷いがある
- プライベートの充実感がない
人生は一度きり。 感情だけでなく「戦略的な視点」で、自分の道を選んでみませんか?
あなたの人生を動かすのは、誰でもないあなた自身。 この本は、あなたが「人生のCEO」として最初の一歩を踏み出すための、力強い味方になるはずです。

◆業界分析と柔軟な選択肢を持つ
キャリアにおいて、目先の収入や条件だけで仕事を決めるのは危険です。業界の将来性やリスクを冷静に分析し、長期的にモチベーションを維持できる仕事を選ぶことが重要です。また、一つの道に依存せず、常にオプションプランを用意しておくことが大切です。
特に40代50代はキャリアの安定を重視する時期ですが、複数の選択肢を持つことで、万が一の不測の事態にも柔軟に対応できるようになります。選択肢を広げることで、人生の不確実性に備えることができ、より安心して生きることができます。
人生をより充実させるためには、バランスの取れた人生設計が必要です。『人生の経営戦略』で紹介されている「人生論とキャリア論のバランス」「3つの資産を育てる」「業界分析と柔軟な選択肢を持つ」という3つのポイントを実践することで、より充実した人生を送るための道筋が見えてきます。これらの考え方を参考に、自分の人生を見直してみてください。
📚 補足:読了後の効果を最大化するには?
本書は読み物というより、実践書に近い構成になっています。 各章には問いやワークがあり、自分の人生にあてはめながら読み進めることで、 思考が整理され、行動計画が具体化していきます。
『人生の経営戦略』山口周|人生を“社長視点”でマネジメントする方法が書かれています。自分の人生を「プロジェクト」としてデザインしたい方は、ぜひ一読をおすすめします。
